やる気があるのに集中できない理由



些細なことが気になって
ついつい何度も手を止めてしまう

すぐ脱線してしまって作業があまり進まない


絵を描いていると、
こういったことがしばしばあります。



あまり集中できないことが続くと自分でも
「やる気が足りないのかな?」
「向いてないのかな?」
と落ち込んでしまいますよね?


でも、やる気のある無しに関係なく

集中できる時もあれば、
できない時だってあるのが普通です。


お絵描きに集中できないことを
やる気や心構えに原因を求める人は多いですが


やる気はあるのに集中できない時ほど
悔しいことってありません。


実は、そういう人がまず気にするべき所って
精神的な面ではないんです。


今回は、お絵描きに集中出来ない原因と
その解決法について考えていきます。








集中できないのって心の問題?


以前、僕は趣味で絵を描いている友人からこんな相談を受けました。

「お絵描きを始めると、途端に集中できなくなる。」

「机に座る前には感じなかった、食べたいものや、
小さなことが気になってすぐに脱線してしまう」



絵を描きはじめると、
普段はあまり気にならないような欲求が
どうも強くなってしまうそうなのです。


そして彼は、自分のやる気が足りないことや
欲求に対する弱さといった、心や体質に原因を求めて
深刻に悩んでいるようでした。


しかし僕には、それがどうしても
彼の心や体質のせいだとは思えませんでした。


というのも、彼は基本的に真面目な性格で、
やるとなったら一生懸命な人です。


学生時代も、だいたいの教科は
7割以上の成績で単位を取っていました。


学校の勉強やテストにおいては、
反復練習をしてある程度の結果が出せる人です。


つまり、彼には既に充分な成果を出せる集中力があるのです。


にも関わらず、趣味のお絵描きのことになると、
途端に集中力を発揮できなくなってしまうそうなのです。


問題があるとすれば、彼の精神的な面ではなく
環境にあるとしか思えませんでした。



彼は、集中して取り組みたい事がある時
常にそのことばかり考えて、かなりのやる気を見せるのですが
その他のことについては後回しにしてしまう傾向がありました。


また、環境に不満があっても
自分が努力したり、我慢することでそれを抑え込んでしまうタイプです。

「慣れれば気にならなくなる」
「辛抱すれば精神力も鍛えられる」と

集中したいことにひたすら取り組んでいれば
自然と体が適応していくものだと捉えているようでした。



彼の言いたいことは分かるのですが
僕としては少々極端過ぎるかなとも感じました。


実際、彼の作業部屋を見せてもらうとひどいものでした。
床にはゴミが散乱してちらかり放題、
机の上には資料が無造作にごちゃっと置かれ

机の引き出しは壊れて外れかけているのを
その下にラックとベニヤ板を置いてなんとか補強していました。


その部屋を見ただけで、とにかく作業「だけ」に集中して
他のことはできるだけ後回しにするという
彼の取り組み方が見て取れました。





まず疑うべきは作業環境


お絵描きにおいて、確かに
心掛けや姿勢といったものは大切です。

これ無しに成果をあげられる人はまずいないでしょう。


自分以外のせいにばかりする人に
なりたくないという気持ちも分かります。


だから、真面目な人ほど
あまり他のことに原因を求めるのを避け

頑なに自分の心が弱いことに原因がある
と考えてしまいます。


でも、長年付き合ってきた自分の心を否定するのって
とても辛いことです。


精神をすり減らす割には、
すぐに変えられるものでもありませんよね?


そもそも、自分で選んで取り組んでいることに
やる気が無いわけがありません。



こういう時、僕がまず疑うべきなのは
作業をしている環境だと思います。


「環境のせいにするのは甘え」

「集中力がないことの言い訳」



といったイメージを持つ人がいますが
環境のせいにすることは、果たして本当に甘えや言い訳でしょうか?



なにも、自分の力ではどうしようもない
大枠としての環境だけではなく

作業する際に関わるごく身近な範囲だって立派な環境です。


机の上を綺麗にしておくかどうか

どんなツールを使うか

作業するための道具をどう配置するか


これらは自分の意思で選び
いつでも変えることのできる環境です。


ひたすら作業「だけ」に集中しようとして
環境を整えることを考えないというのは
一見潔く感じるかもしれませんが

僕には、環境を問題点の一つとして向き合うことを
ただ面倒がって放棄しているのと紙一重のように思えるのです。


実際、作業環境をないがしろにしすぎると
作業の効率や集中力に大きく影響します。


例えば

机の上が汚いと
作業中の無意識なよそ見ってかなり多くなります。

道具の配置が悪ければ
手を動かす範囲は自然と増えませんか?


すると何かに引っかかったり、
目で確認する機会は自然と多くなります。

その回数だけ作業から意識は外れます。

そして、その意識が外れたタイミングで
人は今やっている作業とは関係ない事を考え始めるのです。


机の上を片付けて、作業ツールの配置を少し工夫するだけでも
こういった集中の邪魔をする引っかかりはかなり改善されます。





義務感ではなく好きでするものほど
環境の影響を大きく受ける



特にお絵描きのように、義務ではないことほど
集中できるかどうかは環境に左右されます。


例えば、学校の課題って
あまりしたいものではないですよね?

家に帰ってまで勉強なんて
いくらやる気を出そうとしても
なかなか出るものではありません。

それなのに、大半の人がこなしてきます。


それは、結局やらないと親や先生に怒られたり、
留年することになったりと、嫌なイメージが浮かんできて
「より面倒なことになる」と強い恐怖を感じるためです。

それを回避するために「やるしかない」
という気持ちになることができるのです。


こういった義務感でこなす活動は、
少し壁に当たったとしても、「今終わらせるしかない」という意識から
あまり環境を気にしなくても自然と集中できます。


一方でお絵描きやゲームなどは、義務感ではなく
「おもしろいから」、「自分がしたいから」
するものではないでしょうか?


モチベーションを原動力とした活動は
しないと大変なことになるような恐怖はほとんど無いため
「やるしかない」という気持ちにはなりにくいです。



そのため、ちょっとしたストレスや欲求の影響を受けやすく
作業中に何か不快感を感じたタイミングで
その集中力は激減してしまいます。


そう考えるとお絵描きに限って集中力が切れやすいというのは
何も不思議なことではなく、自然なことです。


むしろお絵描きのようなクリエイティブな活動こそ
わずかなストレスにも気を遣ったほうがいいですよね?

そしてこのちょっとしたストレスというのは
大抵の場合、まず作業環境まわりで感じ始めます。





無数にある欲求が主張しはじめるきっかけ


ひとつのことでイラッとすると
普段気にしなかったことについても気になって
どんどんイライラしてくるという経験ありませんか?


集中の切れやすいクリエイティブな作業をしている時ほど
ちょっとしたことでもイライラしやすい状態になっています。


絵を描いている時って
ただでさえ悩んだり、行き詰ったりするものです。


自分の表現したいイメージを頭に浮かべながら

どうすれば思った通りに表現できるのか
悩みながら注意深く画面とにらめっこし、

ペンタブとキーボードの上で手を何度も往復させて
少しづつ画面の中にそのイメージを表現していきます。


そういう神経を使う作業中は
当然、いつも以上に些細なことにも敏感になりやすいです。


手がちょっとでも引っかかったり
目を別の所に向けたタイミングでも
簡単に気がそれてしまいます。


そして、気がそれたタイミングを狙ったかのように
一気に疲労や空腹など不快感が押し寄せてきます。


さらに義務感が少ない活動である分、
ストレスが重なるにつれて

「チョコレートが食べたいな」
「あのニュースが気になる」

といった、疲労や空腹よりも本当にちょっとした欲求も強くなりやすく
「ちょっと休憩しようかな」と簡単に脱線してしまうのです。

こうした欲求が強くなった後では、
そわそわして集中なんてできるはずありませんよね?


大切なのは、そうなってしまってからどうするかではなく
そうならないようにどうするかです。




そこで、注目してほしいのが

普段感じない欲求まで強くなるきっかけは、
作業中のちょっとしたストレスだということです。


本人としては、作業を始めたら
それまでに感じなかった些細なことが
気になるようになったとつい考えてしまいます。

でも、きっかけとなっているのは
目を画面からそらしたり、手がなにかに引っかかったり
作業から気がそれたタイミングであることがほとんどです。


この作業周りのひっかかりを徹底的に排除することが
環境を整えるということなのです。


普段気にならないことまで浮かんでくる欲求は
片っ端から消していってもキリがありませんが


作業周りのひっかかりという範囲に絞ってしまえば
対策のしようはいくらでもあります。





無意識に感じそうな不快感にこそ目を向けよう


相談してきた友人には、

集中できないのは環境が原因と見て
作業に関わる箇所を中心にスッキリさせることにしました。


彼も最初は「あまり環境のせいにしたくない」と
乗り気ではありませんでしたが

「環境を整える力も自分の実力だよ」と
僕が環境と集中力の関係を説明するうちに

彼としても少し軽視しすぎていたことに気付いたようで
確かに盲点だったと納得して片付けをはじめました。


まずはモノが乱雑に置かれた机の上を整理して、

コードが絡まって不安定だった
パソコン、キーボード、ペンタブレットの配置を
使いやすいように一緒に整えました。


彼も一度始めてみると

「これが引っかかるな」
「ここだとちょっと嫌かな」

と楽しそうに自分に合った配置に調整することに
夢中になっているようでした。


また、作業中にほかのアイコンが目につくだけでも
集中力は分散してしまうので

ごちゃごちゃだったPCのデスクトップも整理して
最低限作業するためフォルダやアイコンだけの状態にしました。


外れかけていた机の引き出しも、
補強するためのベニヤ板と合わせて作業の邪魔になるので
一緒に取り払ってしまいました。
(「引き出しはなんでこんなことになったの?」と僕が聞くと
小学生の頃から使っている机で、自分で蹴って壊してしまったそうです(笑))


一通り作業環境の調整を終えて
友人がいざ席に座って作業させてみると...


「すごい、スッキリしてとても使いやすい」


と、自分で整えた環境の効果が想像以上だったことに
とても感動しているようでした。


最後に僕からは、作業中はブラウザやTwitterなど
いらないアプリは消しておくのがいいよとアドバイスしておきました。



環境を整える際には、
無意識に感じそうな不快感にまで目を向けることが大切です。


結局は、この無意識に感じる程度のちょっとしたことこそが
脱線のきっかけになり、大きなタイムロスにつながります。



環境を意識するようになってから、その友人も
お絵描き中に意識が他の所に行ってしまうことはだいぶ減ったようで

後日僕に電話をくれて、なかなか集中できない辛さから解放されて
楽しく作品制作ができるようになったことを嬉しそうに話してくれました。


彼の明るい口調からも、心からお絵描きを楽しんでいることが
伝わってきました。


あれほど深刻に思い詰め、絵を描くことも嫌になりつつあった彼が
まさか少し環境を整えただけでここまで変わるとは思いませんでしたが

僕としてもクリエイティブなことに
生き生きと励む彼の姿を見ることが出来るようになって
本当によかったなと感じました。





実はみんな環境に投資している!?


人は、ちょっとしたことでも集中できなくなってしまう反面
一度集中さえしてしまえば、多少のことは気にならなくなる生き物です。

今やっている作業をとても楽しく感じ
むしろ他のことなどしたくなくなります。


深く集中した状態は、自分でも驚くほど頭は冴え、
いつもより繊細に作業できるようになります。

集中する前はあれだけ悩んでいたのに
嘘のように解決してしまう、ということがよく起こります。




集中できずに脱線ばかりしてしまう人と

集中して一気に絵を描き上げられる人




絵に集中する前に感じる、ほんのわずかなストレスに気を遣えるかどうかが
これだけの違いに影響しているとしたら、とても恐ろしいことですよね。



作業環境は、絵を書いている間ずっと活動をともにするものです。
快適であればそれだけ集中が持続する時間も長くなります。


それが10時間、20時間と積み重なっていけば
成長できるスピードはどれだけ変わるでしょう?



集中して頭をフルに使い、短時間で絵を描いた30分は
長時間集中できずにだらだらと描いた3時間にも匹敵します。

お絵描きの世界では、
何年も続けている絵師を、新しく入ってきた新人絵師が
あっという間に抜かしていくようなことがよくあるのはそのためです。


集中力を高めるための環境づくりに
意識して取り組むだけで


あなたのその後の成長は自然と早くなり

集中できなくてやきもきする辛さから解放され

短期間で集中して何枚も絵を仕上げられるようになります。


何時間もかかるようなことではありませんし
辛い修行のような努力をするわけでもありません。


ただ環境を整えるだけで、絵を描く上で
これだけの理想的な効果を得ることができるとしたら、
やらない手はありませんよね?


実際、お絵描きで一定以上の成果を上げている絵師は
必ず何かしらの形で環境に投資しています。


パソコンやグラフィックソフト、ペンタブレット、椅子など

人によって様々ですが、
中には作業するためだけの部屋を借りたり

コワーキングスペース
(月額を払って共用のオフィスをシェアするサービス)
を利用している人までいます。


それは彼らが、環境に投資することが作品制作にとって
いかに重要かを知っているからです。

集中することが絵を仕上げるスピードや、クオリティに
どれだけ影響を与えるかということを充分に理解しているからです。


もし本気でお絵描きで成長したいのなら、早い段階で環境を見直し、
徐々に投資しながら自分の性質に合わせた「集中しやすい」作業環境を
作り上げていくことは必須になってくるでしょう。





必要なのは「自分にとっての」いい環境


ただ、注意しなければならないのは
ストレスを受ける対象や大きさは人それぞれということです。

人から聞いたこと、ネット上の評判を鵜呑みにするのではなく


「お絵描きする上でどんな時に手が止まっているか」

「自分のストレスのきっかけなっているのは何か」


に常に目を向ける癖をつけることが大事です。


そして、少しでも嫌だなと感じたら
そこから目をそらしてはいけません。

あなたが「気にしないようにしなければ」と
その不快感を無視しようとすればするほど、

あなたは痛みや辛さを感じづらくなる代わりに、
その不快感がどこからきているのかを感じる勘は鈍っていきます。


無視するくらいなら怖がらずに、
どんどん追求して解決してしまいましょう。


素晴らしい作品を生み出せる人というのは得てして
見る人が感じるか感じないか分からないような所にまで
配慮できる繊細な人です。




先ほど少しずつ投資していくことも大切だと
言いましたが、

効果を出したいからといって、あれこれお金をかければ
必ずしも良くなるというものでないことも覚えておいて下さい。

そもそも使えるお金には限りがあります。

集中力向上や作業効率化をうたった
高額で詐欺的な商品も多くありますので

環境に投資する際には
効果を出すのに最適な箇所はどこかを慎重に考えて
優先順位を決めてしていく必要があります。


ちなみに椅子は、人によって合う合わないが激しい上に
しばらく使ってみないとわかりづらいものなので
最初に投資するものとしては、僕はあまりお勧めしません。


上を見れば高いものがいくらでもありますが
費用対効果は微妙です。


ごく一般的な椅子でも、邪魔なものさえなければ充分に集中できますし
中途半端に高いものだとスペースをとるわりには不安定だったり


これは僕だけかもしれませんが、

快適すぎるものを選ぶと、
一息ついたが最後、起き上がりたくなくなる上に
ちょっとした居眠りも多くなります(笑)


椅子が快適過ぎるのも考えものなので
なんだかんだいって作業に向いているのは
シンプルで安価なオフィスチェアだったりします。


まず最初に投資するとしたら、このように
影響あるかどうかが分かりづらいものよりも
もっと作業に直結した、ツールなどがおすすめです。



もし僕がお勧めするとしたら、
グラフィックソフトとペンタブレットでしょうか。


これらは色々なメーカーから常に新しいソフトや機器が出ており、
絶えずバージョンアップしながら各メーカーで競争が繰り広げられています。


今後この二つについては、どういったものを選ぶのがよいのか
メリットとデメリットを踏まえながら解説していきたいと思います。


記事が完成次第、下記にリンクを追加していきます。
下の箇条書きは、紹介しようと考えている主な内容です。


「グラフィックソフト編」

・今のトレンドではどんなソフトを選ぶべき?
・無料ソフトは使うと損!?
・Photoshopは必須?




「ペンタブレット編」

・高価なものって何が違うの?
・サイズは大きめを買うべき?
・液晶タブレットは効率が上がる?



記事で詳しく書きますが、
どちらも費用対効果は抜群です。


ただ、繰り返しますが、感じるストレスは
人によって大きく違いますので


まずは自分にとって影響が大きいと感じるものから
改善していくことが大切です。



どこから取り組むかは自分で考え、
判断することを常に意識しましょう。


上記の記事も、あくまで一つの参考として
最終的に自分で判断するための基準作りに
活用していただければ幸いです。



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この記事へのコメント:

うきゆき : 2017/02/08 (水) 23:26:27

色々読ませていただきましたが、とても勉強になります!
私はお絵描きを若い頃よくしていましたが、成人してからは時間がなくなり全く描かなくなってしまいました。
ところが何故かスロットブログを運営するようになって、そこで最近がんばってお絵描きしています。
これからも色々読ませていただきたいです。がんばって下さい

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